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辿り着く先は一体 何処になるのか

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  • 今宵はどこへ行こうかしら…
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    言葉というものは実に曖昧で、きっと誰もが伝えたい事をそのまま伝えられないまま、それがまた曖昧になってしまったまま、毎日が進んでいるということにな るのでしょう。

    誰に対しても、ほんの少しの良いところを見つけてはそれだけを見て、その人に「好きです」なんて言えてしまう人が、後にも先にも人生で一度しか心を開いた 事のない人に向かってその言葉を使った時、果たしてどんな事になってしまうんだろう。
    「いや、今のはそんな深い意味で使ったんじゃなくて」
    「いや、今のはそんな適当な意味で使ったんじゃなくて」
    そんな会話があればまだしも、何もなくお互いがお互いの言葉を違えたまま贈り、受け止め、そんな無茶苦茶なまま毎日は過ぎて。

    同時に受け手も同じく。人に「好き」なんて言われた事のない人と、今まで一度も告白なんてした事ないよ、だってみんな告白してくるんだもん、みたいな人 と、そんな2人が同じ人に同じ言葉を投げかけられたら、2人の反応は確実に違う訳で。

    結局言葉云々よりも結果がものを言うはずなのに、成功は結果ではなく過程で見るものであっても良いのに、そこまで思っていても、ついさっき頭に浮かんで出 てきたたった一言の言葉に、人は一喜一憂し。
    かく言う俺も、精一杯想いを込めて叩いているのはキーボード。そこら辺のがきんちょろが適当に叩いて作られた「好き」も、俺が心を込めて叩いた「好き」 も、よに出回る時は同じ形。寸分違わぬ角度で作られたトメ、ハネ、ハライは今回も忠実にそれを守り。

    昔々神様ってのが、何か悪い事をしたからなのか、人間をあちこちに飛ばして使える言葉も伝わらない様に変え、だから今の世界があるのだ、なんて話を聞いた 様な聞いてない様な。それでも人は国をまたぎ海をまたぎ、今では相手の言っている事が何なのかくらいまでは理解出来る様になっているみたいで。
    人間って不思議な生き物だ。結局通じ合っていても伝わらない事ばかりの世の中だというのに。
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    いつも通りの素っ気ない言葉を置いて、僕は今日も一人足早に外へ出る。今までずっと、交流も深めず淡々とこなして来た。下手に仲良くなってしまっては今後 に差し支える。中途半端な社交辞令に疲れてしまうくらいなら、初めっからコネクションなんか作らなければいい。

    いつも通り人より早くに帰宅すると、玄関のドアノブにコンビニ袋が引っ掛かっていた。家賃の請求書って訳ではなさそうだ。
    「おめでとさん」
    もはやそう書かれていたのかも分からない。何か書いてある様にも見える黒い線が、雨に濡れていよいよ読めなくなっていた。中身は何もなく、色々な想いだけ がキッチキチに詰め込まれたまま、よくも切れてしまわなかったな、というくらいにギリギリのところで踏みとどまっていた様に見えた。
    こんな事をする奴なんて一人しかいない。そう思った僕は持っていた荷物を玄関の前に置き、引っ掛かっているコンビニ袋もそのままに振り返って走り出した。

    もうどれくらい走ったんだろう。こんな道、通った事ない。真っ暗で先も見えなくて。でも、それでいて何だかとても温かい。目を閉じてもしっかりと繋がって いる様な、だからといって目を見開いて何が見える訳でもなく。

    突然辺りがパッと明るくなった。なんだ、こんなところに隠れていやがったのか。全然気づかなかった。しかもここってすぐ近くじゃないか。ったく、探させや がって。それにしてもお前ってこんなに難しい漢字だったっけ。しかもどう読んでもお前の名前には読めないし。ここに入る前に名前変えたのか?言えよな、そ れなら。…なんて、言える訳ないか。もう出て来れないもんな。

    こんな四角い石の塊に言うなんて、何とも変てこな気分だけど、精一杯言わせてもらうよ。

    「どうもありがとう」

    その昔、今からもう7年か8年くらい前になるのか、父の姉にあたる伯母さんがこの世から去りました。別に今日がその日って訳でも何でもないんだけれども、 もしたまたまそうだったのなら本当に申し訳ないんだけれども、とにかくその昔にそんな日があって。

    当時名古屋で大学生活を満喫(?)していた俺は、その話を聞いて一人父の実家のある兵庫県まで新幹線に乗って向かい。着いた先ではもはやお葬式ムード一 色。こんな言い方をしたら何とも楽しそうな雰囲気にも取られるか、そんな事はないか、葬式だもんな。

    そこにいたのは俺の知っている伯母さんなんかではなく。四角いハコの中に閉じ込められて寝返り一つしない伯母さんは、顔の部分だけ蝶番仕様になっているそ のハコからしっかりと姿を見せ、とはいえ顔だけなんだけど、それはもう、今にも起き上がって「あら」なんて言ってきそうな程綺麗に化粧もされていて。身内 の死に直面するのが初めてだった俺は何も言葉が出てこず、ただただそこに用意されている食べ物をひたすら口に詰め込んでいた。

    日が変わり、伯母さんは焼かれる事になりました。一通りの儀式が終わり出棺の準備が出来上がると、伯母さんはハコに入ったまま親戚に担がれ、黒くて大きな 車の後部座席へと乗せられました。爺ちゃんは顔色一つ変えず、婆ちゃんはもう干涸びてしまうんじゃないかってくらいに涙を流し。俺はそれでも何も出来ず、 ただただ添える様にハコを触っていました。

    火葬場での出来事は今でも忘れません。火葬が終わるまでに30〜40分くらいかかると言われた様な気がしましたが、俺にはほんの数分の記憶しかなく。

    終わって出て来た伯母さんの頭蓋骨には、朱色の血が付いていました。それを見つけた係の人は、何食わぬ顔をしたまま、手に持っていた火かき棒の様なもので そこら中をグチャグチャに崩していきました。あっという間の出来事でした。

    帰り道、俺は時間の合間を縫って兵庫まで来たというのもあってその日のうちには名古屋に戻らねばならず、しかもお金がなかったので鈍行で帰る事になってい たのだけど、あまりの疲れと緊張ですぐに目を閉じてしまい。しかし見る夢は伯母さんの頭蓋骨についた朱色に染まった色の夢ばかり。

    いてもたってもいられなくなった俺は、持って来ていたノートとペンを手に取り、ただひたすらに字を書き連ね。自宅に戻って俺はすぐさまそれを曲にして、そ の日の夜中に川べりを探して独り歌ったのです。

    曲名を「骨に願いを」にして。

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