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辿り着く先は一体 何処になるのか

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  • 今宵はどこへ行こうかしら…
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    その通りになどしなくて良い
    その通りになどしなくて良い
    ただ
    そういう人もいるのか、と
    そういう考えをするのか、と
    相手の気持ちになって物事を見る事が出来るかどうか
    それだけで人はどれだけでも大きくなる
    そして
    たったそれだけの事が
    なかなか出来ない
    ただ
    それだけの話
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    生まれも育ちも違う
    そもそも価値観なんて違って当たり前

    そんな数十億のそれが
    まさか同じだった時に感動を覚えるか

    それとも違って当たり前なもの

    これもまた違うと放り投げるか

    あれもこれも共有していかねばならぬと嘆くのと
    既にここは同じという奇跡を喜ぶのと

    選ぶのは己次第

    どうせなら
    喜んでいく方が楽しい
    楽しんでいく方が明るい
    明るい方がよく見える
    よく見える方が伝わる
    伝わる方が感じる
    感じる方が美しい


    今日より少しでも
    誰もが美しくあれ


    月に吠えてごらんよ

    少し
    優しい気持ちになれるから


    或る暮れに渡し合った契りの輪
    1クール程で
    男の胸元からこぼれ落ちたそうな
    女は悲しんだが
    男の悲しみ方たるや
    それはそれは酷かったそうな

    それから時の経つこと半年余り

    とある用事で
    ポリス屋に足を運んだ男は
    不意に紛失届を出したそうな

    何を今更

    男はそう思いながらも
    やはり諦めきれなかったらしい
    見切りの為
    はたまた輪と想いへの供養の為


    それから数週間が経ったある日の事


    突然鳴った白い電話には
    住処と同じ市外局番
    しかしながら知らぬ番号
    恐る恐る耳にあてると
    「確認しに来てください」
    という言葉が届く

    まさかまさかという期待
    いやいや今更という諦め

    閉じ口のついたビニール袋
    中にはあの日落とした契りの輪

    落とした場所は集合住宅の階段付近
    そこからあれよと転がって
    植え込みの中にいたそうな
    あの夜探した暗闇に
    実はほんとに落ちてたそうな

    埋まって隠れた黒い輪が
    寒い季節に埋れた輪が
    雨で土から顔を出し
    集合住宅の月一掃除
    土を耕す熊手の先に
    黒い輪1つ
    引っ掛かったそうな

    こんな奇跡があるのかと
    想えば必ず叶うのかと
    男はそれを握り締め
    輝きを戻そうと足を運ぶ


    やがて磨きのかかった契りの輪
    手元で輝く契りの輪
    誰にも言えずに契りの輪
    伝える事も出来ぬまま

    男は首に鎖を巻きつけ
    二度と落ちぬ様くくりつけた


    或る暮れに渡し合った契りの輪
    ただ自分の為だけに
    誰にも言わぬと決めたそうな


    隣の町の男の話
    声も出せず
    想いも届けられず


    隣の町の男の話
    胸に埋れて
    お眠りなさい
    再び輝くその日まで
    胸に埋れて
    お眠りなさい

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