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    11月某日、ついに文化祭がやってまいりました。文化祭の参加者が少ないとか、もはや生徒すらいないとか、そんな噂は何処へやら、こんなに入れませんか ら、くらいの人混み。元々人の多いところが得意でない俺からしてみればそこが既に地獄、緊張しなくても良いところから既に緊張していたりなんかもして。
    しかしながらここは資本主義国。人一人の緊張で延期になる様な配慮は一切されておらず、実際社会主義国の仕組みもどんなものか分かったものではありません が、とにかく祭は淡々と確実に進み、お昼もとうに過ぎたあたり、ついに我らが「Hypocrites」も出演するライブイベントが幕を開ける時がやって来 たのであります。

    先にも述べた様に、講師の先生達バンドは1バンド目。体育館のフロアが熱気に包まれているのは入ってすぐに感じました。まだ誰もステージに立っていないと いうのに、なんだったらまだ緞帳下りたままだっていうのにも関わらず、何故かフロアからは黄色い声援が飛び交い。
    入学式か卒業式か、そんな時くらいにしか並ばないであろう折りたたみの椅子が体育館のフロア一杯に敷き詰められており。それはきっと講師の先生達バンドと いうことでの客の入りを予想した実行委員側の配慮だったのでありましょう。そして期待を裏切る事のない満員御礼の人の入り。それはもはや生徒だけにとどま らず、違う学校の制服から、なんだったらお母さん達までが、目一杯粧しを決めて座っている始末。そう、講師はここだけで教えている訳ではなかったのであり ます。

    袖からステージの裏に回ると、そこではもう講師の先生達が各々準備を始めていました。科学の講師は実験用の服を身に纏い、数学の講師は何をせずともカッコ よく、とにかくもう祭られるにふさわしいメンツが、そろいも揃って楽器を弾けるという現実。緞帳の向こうでは一向に黄色い声が鳴り止まず、むしろ人は増え ている雰囲気。

    「ありがとう文化祭、さようなら青春」

    そう思いながら大人の凄さをまじまじと見せつけられ、我々は一度袖にはけ。間もなく緞帳は上がり、講師の先生達バンドが始まる訳です。
    売れ筋J-POPな曲を、講師のマドンナ的先生がつらつらと歌い、そしてそれは決して上手くなく、しかしながら客はもはや洗脳されているのか、尊敬の眼差 しで彼女らを見つめ。謎の新人ボーカルが、いとも簡単に人気者になってしまう訳だ、思い込みって怖い、そんな、ショックと感心な気持ちが交差しながら、確実に時間は進み。

    演奏する事30分程、本番前に生気を吸い取られてしまった我らを尻目に講師の先生達バンドは終わり、鳴り止まなさそうで何とか鳴り止んだ拍手とともに緞帳 が下り。

    さぁ、ついに「Hypocrites」の出番。下りた緞帳の向こうでは、確実に人々の動いている気配。緞帳のこっち側では「お疲れー♪」「お疲れしたー ♪」なんていう充実した声。俺と親友はコソコソと椅子をセンターに置き、位置を確かめ、動く人の音を向こう側に、ただ淡々と準備に勤しみ。

    緞帳が上がりました。
    「Hypocrites」、初ライブ、始動です。
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    img_9748_23336974_0.jpg
    高校3年の夏休みに活動を開始した我らが「Hypocrites」が、晴れの舞台に立つまでに残された時間はほんの1ヶ月程。しかも練習の出来る時間もか なり限定されており、何だかんだで予備校通いをしていた親友がそこに間に合うまでの時間だったり、俺が親に怪しまれずに帰宅出来る時間だったり、結局は昼 下がりから夕方までの間だったりもして。ま、十分といえば十分、やってやれない事はない展開ではあったのかも知れない。

    そんなこんなでいつの間にか時は経ち、気づけば有志バンドの申し込み期日が迫っていたりなんかもして。去年のコネを使い、ゴマをすりゴマをすり演奏させて もらえる状態にだけはしよう、なんて考えていたのにも関わらず、その年の後輩どもが何ともパッとせず、応募していたのは我らを含め3団体だけ。しかもその うちの1つは講師の先生達が組んだバンドらしいなんていう噂で。
    お陰で大したオーディションもなく演奏の出来る環境は整ったという事で、あとはとどめを刺すだけ。…なんて軽い気持ちで構えていたのが間違いだったという 事に気づくのは、まだまだ先の話。

    「講師の先生達がバンドを組んで文化祭で演奏をするんだって!」
    なんていう声がそこかしこから聞こえてくる様になったのはそれから間もなくの話。よくよく考えてみれば、講師の先生達というのはそもそもがカッコよかった り可愛かったり綺麗だったり、高校生の間ではとても人気のある人達だったのであります。そんな人気のメンバーがそろいも揃ってバンドなんかやろうものな ら、たちまち体育館は満員御礼、金でも取れば大黒字間違いなしな展開な訳です。

    とはいえ、こちらとしてはそれくらい人のいる前でやれた方がやりがいもあるってなもんで。前座だろうが野次られようが構いやしない、「俺たちのやりたい様 にやって思い出作っちゃうんだから!」なんていう気持ちで普通の日々を送っておりました。

    文化祭のプログラム表が全校生徒に配られ、いよいよもって文化祭も近づいてきたな、なんて思いながらステージでの進行表を覗くと、なんと 「Hypocrites」がトリになっていたのです。
    「これは良くない」
    2人とも同じ気持ちでありました。先生達が先にやってしまっては我々が出る頃には体育館が空っぽになってしまう、ガラ空きな体育館で歌うのはリハーサルの 時だけで十分だ。
    すぐに生徒会と文化祭実行委員に掛け合うも「権限がないので」と門前払いを喰らい、こうなったら、と、直接講師室へ殴り込み、順番の変更を申し出たのであ ります。

    「生徒が主役じゃなくてどうすんの?」

    ごもっともなご意見でありました。ごもっともなご意見ではありましたが、現実そんなに魂のこもった連中なんていやしない、だいたいが本来は「文化祭なんか ブッちぎってどっか遊びに行っちゃおうぜ」ってなもんで、人いるの?くらいな可能性だってあるんだから。

    我々の執拗なまでの要望ではありましたが、やはりその「ごもっとも」な意見はあまりにも正し過ぎ、結局我らが「Hypocrites」は、本番を目前にし てビビリになってしまうのでありました。

    img_9748_23261382_0.jpg
    高校2年生の夏、当時柄にもなく生徒会長をやっていた俺は、実行委員を募れずにわずか3人で高校の文化祭をやりくりせねばならなくなり。幸い他の生徒会の 人間も同じクラスにいたので、その子達に入り口の飾り付けを頼み、俺と、後々大親友になっていく奴と、今となっては連絡先も知らない奴と、そんな高校時代 の悪さ好き3人組が生徒数何百という高校の文化祭を仕切る事になる訳です。

    何だかんだあって文化祭は無事に幕を終えるのだけど、そんな時に一人の心を揺さぶる人に出会い。

    あれは文化祭2日目だったのか、生徒会長兼実行委員長のダブルネームで、それなのに体育館の照明をやっていた俺は、ステージに立つ有志のバンドを照らして おり。
    とはいってもその人はピン。バンドネームは「青空」。

    その人はブルーハーツの「青空」という曲に感銘を受けたのか、その歌を含めて何曲か演奏した訳なのだけれど、出している雰囲気が何ともカッコよく。俺は向 かい側で照明をしている親友に向かって「来年は俺たちがやるぞ」と、インカムを飛ばした程。
    しかもそれだけでは終わらず。
    演奏が終わって袖にはけた時の画は、暗がりに何故か1つだけライトが照らされており、そこに独り座っている「青空」さんが綺麗に照らされ、テンガロンハッ トをかぶった彼の両肩からあがる湯気がまた何ともカッコいい雰囲気を助長し。

    あれがなかったら俺の今はなかったのかも知れない。

    あの次の年、俺と親友は受験シーズン真っ只中だというのにも関わらず、午前中から高校に足を運び、それでも一応午前中は変てこな授業に顔を出して受験勉強 はしていたのだけれど、午後は2人で教室に戻り、ひたすら本番に向けて練習をしたのでありました。
    何と言うバンド名にするか、というところから始まり、曲名、歌い手、曲順、どっちが歌うのか、何から何まで2人で決め。

    決まったバンド名は「Hypocrites」。

    受験生に夏休みも正月もない、なんていうセリフを鵜呑みにしてせかせか勉強している奴らを尻目にギターを弾きまくり、そいつらが大学に落ちて俺らが受かっ たら大笑いしてやろう、それでその後ゆっくり、「大学だけが全てじゃないよ」と言ってやろう、そう2人で固く誓い合ったのであります。

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