辿り着く先は一体 何処になるのか
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高校3年の夏休みに活動を開始した我らが「Hypocrites」が、晴れの舞台に立つまでに残された時間はほんの1ヶ月程。しかも練習の出来る時間もか なり限定されており、何だかんだで予備校通いをしていた親友がそこに間に合うまでの時間だったり、俺が親に怪しまれずに帰宅出来る時間だったり、結局は昼 下がりから夕方までの間だったりもして。ま、十分といえば十分、やってやれない事はない展開ではあったのかも知れない。
そんなこんなでいつの間にか時は経ち、気づけば有志バンドの申し込み期日が迫っていたりなんかもして。去年のコネを使い、ゴマをすりゴマをすり演奏させて もらえる状態にだけはしよう、なんて考えていたのにも関わらず、その年の後輩どもが何ともパッとせず、応募していたのは我らを含め3団体だけ。しかもその うちの1つは講師の先生達が組んだバンドらしいなんていう噂で。 お陰で大したオーディションもなく演奏の出来る環境は整ったという事で、あとはとどめを刺すだけ。…なんて軽い気持ちで構えていたのが間違いだったという 事に気づくのは、まだまだ先の話。 「講師の先生達がバンドを組んで文化祭で演奏をするんだって!」 なんていう声がそこかしこから聞こえてくる様になったのはそれから間もなくの話。よくよく考えてみれば、講師の先生達というのはそもそもがカッコよかった り可愛かったり綺麗だったり、高校生の間ではとても人気のある人達だったのであります。そんな人気のメンバーがそろいも揃ってバンドなんかやろうものな ら、たちまち体育館は満員御礼、金でも取れば大黒字間違いなしな展開な訳です。 とはいえ、こちらとしてはそれくらい人のいる前でやれた方がやりがいもあるってなもんで。前座だろうが野次られようが構いやしない、「俺たちのやりたい様 にやって思い出作っちゃうんだから!」なんていう気持ちで普通の日々を送っておりました。 文化祭のプログラム表が全校生徒に配られ、いよいよもって文化祭も近づいてきたな、なんて思いながらステージでの進行表を覗くと、なんと 「Hypocrites」がトリになっていたのです。 「これは良くない」 2人とも同じ気持ちでありました。先生達が先にやってしまっては我々が出る頃には体育館が空っぽになってしまう、ガラ空きな体育館で歌うのはリハーサルの 時だけで十分だ。 すぐに生徒会と文化祭実行委員に掛け合うも「権限がないので」と門前払いを喰らい、こうなったら、と、直接講師室へ殴り込み、順番の変更を申し出たのであ ります。 「生徒が主役じゃなくてどうすんの?」 ごもっともなご意見でありました。ごもっともなご意見ではありましたが、現実そんなに魂のこもった連中なんていやしない、だいたいが本来は「文化祭なんか ブッちぎってどっか遊びに行っちゃおうぜ」ってなもんで、人いるの?くらいな可能性だってあるんだから。 我々の執拗なまでの要望ではありましたが、やはりその「ごもっとも」な意見はあまりにも正し過ぎ、結局我らが「Hypocrites」は、本番を目前にし てビビリになってしまうのでありました。 PR
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