辿り着く先は一体 何処になるのか
× [PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。 携帯電話を携帯していても、すぐに充電は切れ、電源は落ち、涼しい所で写真を撮ろうとしても「温度の上昇により起動出来ません」となり。もはや限界なの か、この携帯は。 それこそまだ家の電話だった時代から、ポケベルが流行りだし、やがてとても大きな携帯電話が普及し始め、果てはPHS辺りも顔を出し、最終的には庶民を ターゲットに携帯電話の普及活動が始まっていく訳だが、もはや携帯電話だろう、という時代まで俺はポケベルにこだわり続け。そんな簡単に俺の居所を知られ てたまるか、と、何かあれば俺が連絡するから、と、かたくなに「独りでいたい」というのを演出する事に力を注いでいた事を思い出す。 それが今じゃ、あっという間に居場所が分かり、圏外でも着信の通知は残り、登録すれば他人が俺の居場所をかってに突き止めてしまうところまで来ているとか いないとか。随分と物騒な世の中になってしまったものだ。 「じゃあお前は持たなければいいだろう」なんていう意見があるのだとすれば、それはごもっとも。いつの間にか俺も携帯依存症の1人になってしまっており。 仕事終わりに携帯電話の充電が切れていようものなら、一目散に帰宅するかそこら辺で緊急充電対策をするか、そんな生活になっていたのだが。 しかしながら最近、本当に使い物にならない携帯電話と生活を共にする様になってからというもの、それ程必要でもないのかもな、なんて気持ちに戻り始め。連 絡してくる人がいないから、それも大いに関係してくる話なのだろうけれども。 自宅の電話番号を卒業アルバムからメモをして、メモと小銭とテレホンカードを握りしめ、近くの公衆電話へと走り出し。最初は10円玉。相手の親父さんに驚 いて慌てて切ってしまったのが100円では何とも勿体ない。ここは慎重に最初の一言を考えておかねば。夜分にすみません、太郎です。花子さんはいらっしゃ いますか。受話器を片手に何度繰り返したろう。もう大丈夫。 最後の1つ、番号を押したその先に待っているのは輝かしい世界かそれとも地獄絵図か。 繋がった途端に「ブー」という音のせいで「はい…すけど」しか聞き取れない。あまりの衝撃に親父さんか弟さんかの区別がつかなかった。どっちだ?というか 誰だ?男だったよな?あぁぁ、もうやけくそだ。あのセリフが全てを変えるはず。そうに決まってる。 「太郎さんですけど花子いますか」 結局しどろもどろになって出て来た改心のセリフと同時に、今度は一瞬だけ聞こえた「プツ」という音。それから全ての終わりを告げる心停止音。 きっともう、あんなに肩を落として歩く細い道には出会えないんだろうな。 PR
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