思えば色々な地方の人間と知り合ってしまった。北は北海道に始まり南は沖縄まで、知り合っていない人なんていないんじゃないかってくらいにまで。
それでも、小学校中学校辺りまではさすがに地元連中が多かった、というかそういう仕組みで囲われていたのでどうしようもなかったというのもあるけれど、高 校に入ったら市内がいつの間にか地区を越え、大学に入ったらいよいよもってとんでもない距離からやってくる勤勉な人々。
大学まで埼玉県民、大学時代は愛知県民になっていた俺は、何故か東京まで行かずに名古屋で止まってしまった西国の人、わざわざ東京を越えて名古屋までやっ て来た北国の人、気づけば名古屋に全国からの人間が集まっていたりなんかして。別に何処の大学でもそうなのだろうけれど、当時の俺にはかなりの衝撃だった 訳で。
それから埼玉に戻って来て、きっともうそこまでの出会いはないだろうと思っていたのだけれども、よくよく考えてみれば都会は意外と地方出身者が多かったと いうのは言うまでもない話、気づくのが遅かった。
「都会に住むのは地方出身者が多い傾向にある」
なんて言葉をいつだったかどこかで聞いた事があるのだけれども、思えば名古屋の女子高生もそんな感じだったっけ。どこか東京を意識している様な、それでも 既に名古屋職は十分に出ていて、これをむしろ武器に「名古屋的女子高生」的な感じで売り出してしまってもいいくらい。
結局今でも九州から来ました、東北から来ました、なんて会話はしょっちゅう飛び交い。
広いんだか狭いんだか、頑張ればもっと色々な人に出会えるかも知れないな、なんて思いつつも、隣の隣に住んでいる人の事は何にも知らなかったりもする、何 だかおかしな現実にも気づき。
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