
このまま行ったらどうなる事か、神様だって知りやしない。僕は神にすら勝ったのだ。
まぶたが段々重くなる。それでも止まない頭の中の幽霊船が、言葉をポロポロ落としていく。
碇が地面に着かないから、僕はこのまま遠くまで飛んでみようと思う。
エリマキトカゲだってエリを取ってしまったんだ、もう怖いものなんてない。今度は僕がつけてしまえばいい。
それでも少し左に傾いてしまうものだから、仕方がないと諦めてしまうのは夜空がいつもより少し近くにあるからなのだろう。秋はもう終わっている。冬だって もう通り過ぎてしまうはずなのに。
壁に手をあてて、そのままいけるところまで触り続けてみて、そのままゆっくりと深呼吸。
急に何かにぶつかるかぶつからないか、それが運命の分かれ道。別れ道なのだと思っていたんだから。
空っぽになってしまった心を埋めるのは、運ばれて来たさようならだけ。
だけど抱けど抱けど暖まらないものに時々出会ってしまう。
舞う事なんて必要ない。無い物ねだりしている場合ではない。ないがしろにしてしまうのは良くない。
泣いている場合ではないのだ。
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