忍者ブログ

辿り着く先は一体 何処になるのか

2025 . 08
|
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • 6
  • 7
  • 8
  • 9
  • 10
  • 11
  • 12
  • 13
  • 14
  • 15
  • 16
  • 17
  • 18
  • 19
  • 20
  • 21
  • 22
  • 23
  • 24
  • 25
  • 26
  • 27
  • 28
  • 29
  • 30
  • 31
  • 今宵はどこへ行こうかしら…
    07 2025/08 09
    S M T W T F S
    1 2
    3 4 5 6 7 8 9
    10 11 12 13 14 15 16
    17 18 19 20 21 22 23
    24 25 26 27 28 29 30
    31
    何か言ってやるかな
    プロフィール
    HN:
    davidbowinman
    年齢:
    45
    HP:
    性別:
    男性
    誕生日:
    1979/09/13
    職業:
    自由人
    趣味:
    ビリヤードを少々と音楽を少々
    さらにぼやき
    最新コメ
    [06/11 CharlesDug]
    [06/06 EdgarKoa]
    [06/06 RickyAkes]
    [05/06 aeromidaniaei]
    [04/30 rdybrh]
    最新記事
    (04/22)
    (10/07)
    (07/16)
    (05/19)
    (02/02)
    バーコード
    ブログ内検索
    カウンター

    ×

    [PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

    img_9748_24296901_0.jpg

    … とはいえ、現実的には何とも無茶苦茶な展開であったのには間違いなく。3月の末に想いを伝えたのは良かったのだけれども、僕は4月の3日には名古屋に行か なければならなかったのだから。

    お泊まり会から帰って来た次の日、月が変わって4月1日。残り2日の猶予を残してはいたものの、彼女は1日から大学生活が始まり、まるっとどこかへ遊びに 行って思い出作り、なんていう事は到底出来そうになく。
    それでも初めのうちはまだ講義も始まっておらず、空いた時間にあわせて僕は家を出、彼女と喫茶店でお茶をするくらいの時間はあり。話の内容といえば、一足 先に大学生活を始めた彼女の、大学に対する印象だとか、これからどうしようね、とか。時間だけが確実に過ぎていく、時間は人々に平等に与えられていないん じゃないかってくらいに、時はあっという間に過ぎ、そうしてさよならの時間がやって来て。

    出発前日。…っていっても実際は次の日なだけ。
    僕は彼女に手紙を渡すべく、大学帰りの彼女を呼び出し。少し走って来てくれたのか、息を切らしてお決まりの喫茶店に入って来た彼女は、2日目にして既に大 学生活を楽しんでいる様にも見え。

    これから僕らは、まるっきり違う環境で、まるっきり違う土地で、新たな生活といっぱい出会う事になるでしょう。喜んで、悲しんで、楽しんで、はにかんで、 そうやっていっぱい学んで、素敵な大人になっていく事でしょう。勿論恋だっていっぱいするに決まってる。
    だからせめて、カッコいい奴が現れてしまったら、そいつに色仕掛けをする前に、そいつに告白してされてしまう前に、告白してしまう前に、「カッコいい奴リ スト」を作って送ってください。顔だけで判断するのは何とも相手に失礼だけども、「さすがにこいつはやめて」的な人だったらちゃんと注意するので。

    彼女に渡した手紙はその場で読まれる事なく、その日も僕らは他愛もない話をして、そうしてまたさよならをして。これで彼女の顔をまともに見られるのは最 後、次に会えるのはきっと夏休み。春休みのうちから夏休みの事を考えたのは初めて。少し遅くなったお昼ご飯を家で食べていたら、テレビの向こうで「今日の 晩ご飯」的な番組を見てしまったくらいに、それはもう何とも不思議な気持ち。

    その日の夜に彼女と電話をしていたら、出発する日の時間によっては駅で会えるかも知れないということが分かって、僕はその時間に合わせて出発する事にし て。最寄りの駅はそれぞれ違うのだけど、その路線がちょうど交差する駅があって、そこで少しだけ会おうということになり。
    神様は残酷な奴。七夕の一件があって以来もう懲りたと思っていたのに、僕らにもこんな仕打ちをするんだもの。…なんて、自分達が決めた進路を神様のせいに したところで、そこまですっきりする事もなく。

     

    PR

    img_9748_24200718_0.jpg
    3月31日午前2時過ぎ。僕は独り大広間で手紙を書いていた。宛先は、7年後の自分。
    周りには誰もいない。卒業記念にとクラスの何人かで企画された、全員参加のお泊まり会イベントが終わったら、みんなそれぞれ散り散りになっていく事だろ う。

    遡ること半日、「何て書こうかな」なんて口々に言い合いながら自分宛ての手紙をみんなが書いている間、僕は外でぼーっとしていた。しんみりしてしまいそう になったから。こうやって独り静かなところでのんびり書いている方がいくらか気分も落ち着くってなもんだ。そう思いながら、書かないままでくしゃくしゃに なってしまった紙をポケットから取り出し、窓から差し込む月明かりだけを頼りに、銀色のペンで少しずつ自分への手紙を書き始めていた。

    ふと顔を上げると、もうすぐ会えなくなってしまう中の一人の人が立っていた。いつか想いを伝えなきゃいけないと思っていた人だった。僕は不意に彼女の手を 取り、思い切って窓から抜け出した。玄関はとても重く、開けるには大きな音を伴うからで。

    ちょっとした丘の麓に立てられているお泊まり会の会場は、元々が高校の施設で、先生方の講習会や合宿に使われているらしい。景色もそこそこに良く、丘とい うこともあって周りには大きな建物もなく、僕と彼女はそのまま丘の頂上までただ歩き。

    4日後には大学の所在地である名古屋へ飛ばなければならなかった僕は、彼女と他愛もない話や高校生活の思い出話に花を咲かせ、気づけば遥か彼方の空がぼん やり紫色に変わりかけていた。

    「確実に分かっているのは、4日後に名古屋に行ってしまうことと、あなたを好きだということです」

    そう言った僕の冷たい手を、彼女はそっと握り、鳥は僕らをささやかに祝福するかの様に鳴き始め、空は恥ずかしそうなオレンジ色に変わっていた。

    img_9748_24134427_0.jpg
    バンドメンバーがいなくなってからもう何年経つんだろう。あの感覚はもう忘れてしまったのかも知れない。現実なんかまるで見ていなくて、夢しか見えていな くて、喧嘩ばっかりして、良い曲ばかり作って、全身の毛穴という毛穴を広げて、ただただ自分勝手に他人を魅了した気持ちになって。
    反省して、次に生かそうとして、喧嘩して喧嘩して、エゴとエゴのぶつかり合いで、折れたら負けだと思っていて、俺らが天下を取るんだと思っていて、それで も世の中に否定をされて、反抗=ロックで、踏まれて、もみくちゃにされて、そのうち折れる奴がいて、折れない奴がいて、離れて、くっついて、そうして、そ うして、気づいたら独りになっていて。

    まだまだこれから。

    Script:Ninja Blog 
    Design by:タイムカプセル
    忍者ブログ [PR]