一歩踏み出してみると、そこにはとても奇麗な花畑が広がっておりました。
迷わず寝転んで、ゆっくり色々な事を考えました。
太陽の事、地球の事、世界の事、環境の事、平和の事、健康の事。
未来の事、夢の事、仕事の事、あの娘の事、明日の事。
やがて想いは大きく膨らんで、みるみるうちに花畑を飲み込んでしまいました。
何もなくなってしまった茶色い土の上で、ただ座り込んでいました。
考えてしまった事を悔やみ、考えていなかった事を悔やみ。
それはもう、生きている理由すら分からなくなってしまうくらい。
それでも仕方がないからと、手元に落ちていた枯れた樹木の枝を使って、
足元の土を掘り起こすことにしました。
掘り起こしては歩き、歩いてはまた掘り起こし、
時には走って、時には転んで、
とうとう辺りはもこもこになった地面でいっぱいになりました。
深く掘っておいた穴の奥を眺め、もう一度だけ考え事をしました。
ゆっくり
ゆっくりと
そして静かに目を閉じ、穴に倒れていく様に永久の眠りにつきました。
風が吹き、雨が降り、やがて地面はしっかりと固まり、
一つの芽が顔を出し始めます。
とても小さく、それでも種を飛ばす花。
世界に花が咲きます様に
あの娘に花が咲きます様に
いつか全てに
花が咲きます様に
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