まだガキの時分にミニ四駆のマシンだけを貰ったって、実際早く走るには色々なパーツが必要だったり、それを取り付ける様々な知識が必要だったりもして、結 局楽しめているのはそこそこの金持ちか大人だった様な気がしていた。
大きくなって、好きに使える時間もお金も工面出来た大学時代のある日、俺は後輩に頼んで車を出してもらい、ミニ四駆の売っているお店まで連れていっても らった。金にものを言わせて沢山のパーツを購入し、それらを組み立てて取り付け、隣りに用意されているサーキットで走らせたものだ。
小さかったあの時、もう一つやりたくてもやれなかったこと、それは本格的な釣り。リールが何だルアーが何だ、親の力を借りずして一通り揃えるのは何とも難 しかったあの頃の俺の経済力のなさ。
時を経て今、遂にその時がやって来たのであります。
…なんて、何とも難しいことを書いてみましたが、かいつまんで言うところ釣りをしに行くって話です。長いことやってみたかった、っていうのは本当の話。遠 く目掛けて竿をヒュンと放り投げる、あの動きをしてみたい、といったところでありましょうか。
とはいって、本格的な釣りは今回が初めて。隣りに座るオッサンに何から何まで聞いてやろう。素人丸出しでいっぱい吸収してやろう。そしてどっぷりハマっ て、やがては夜な夜な一人で釣りに出続けてしまうくらいの匠なあいつになってやろう。
ま、そんな話。
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