
最愛の弟がおります。性格はまるで反対。例えば俺がまんべんなくご飯とおかずを食べるタイプだとしたら、弟は「これ」と決めたものをただひたすらに食べて しまう様な。
俺はお調子者で世渡り上手。弟はひたむきで努力家。
俺は感覚だけで生き、弟は類い稀なセンスで生き。
俺は不器用で頑固者。弟は器用で冷静者。
俺は親分肌で、弟は子分肌。
俺は兄貴で、弟は弟。
喧嘩もしたし、八つ当たりも一杯したし、一緒にジュースも飲んだし煙草も吸ったし、バンドも組んだし喧嘩別れもしたし、そのどれもが真珠の様な輝きを放 ち、一つ、また一つと繋がって、いつしか何にも負けないとても奇麗な飾りとなって、世の中を轟かせる大きな者になっていく。
最愛の弟は、俺の弟。
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